初心者向け:EC2インスタンスの起動フローと基礎知識

初心者向け:EC2インスタンスの起動フローと基礎知識

1. EC2とは?

Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)は、AWSが提供する仮想サーバーサービスです。仮想サーバー(インスタンス)を簡単に作成・管理でき、必要に応じてCPUやメモリ、ストレージなどのリソースを柔軟に選択できます。


2. EC2インスタンスの起動フロー

EC2インスタンスを起動する際は、以下の7つのステップで設定を行います。

① 名前とタグの設定

インスタンスの識別や管理をしやすくするために、名前やタグを付与します。タグを付けることで、後から検索や管理が簡単になります。

② AMIの選択

AMI(Amazon Machine Image)は、インスタンスのOSや初期設定が含まれたテンプレートです。公式AMIや自作AMI、AWS MarketplaceのAMIなどから選択できます。

③ インスタンスタイプの選択

インスタンスのCPU・メモリ・ネットワーク性能などを決める「インスタンスタイプ」を選びます。例:t2.micro、m5.largeなど。

④ キーペア設定

インスタンスへ安全に接続するための「鍵(キーペア)」を設定します。キーペアを使ってSSH接続やリモートデスクトップ接続を行います。

⑤ ネットワーク設定

インスタンスを配置するVPCやサブネット、セキュリティグループ(ファイアウォール)を設定します。セキュリティグループでアクセス制御が可能です。

⑥ ストレージ詳細設定

インスタンスにアタッチするストレージ(EBSボリュームなど)を設定します。必要に応じて容量や種類を選択できます。

⑦ インスタンス詳細設定

IAMロールの割り当てや、ユーザーデータ(起動時に実行するスクリプト)、モニタリング設定など、追加のオプションを設定します。


3. インスタンス起動時のオプション

オプション説明
ユーザーデータインスタンス起動時にスクリプトを自動実行できる機能。初期セットアップやソフトウェアのインストールなどに利用されます。
起動テンプレート(Launch Template)上記の設定をテンプレート化し、複数インスタンスの一括起動や再利用が可能です。

4. プレイスメントグループ

インスタンスの配置戦略を指定することで、可用性や耐障害性、パフォーマンスを最適化できます。

配置戦略説明
Cluster同じアベイラビリティゾーン内にインスタンスを集約し、高速な通信が必要な場合に有効。
Spreadインスタンスを物理的に分散配置し、障害の影響を最小限に抑えたい場合に有効。
Partitionインスタンスを複数のパーティションに分けて配置し、大規模分散システム向け。

5. EC2インスタンスからAWSリソースへのアクセス

EC2からS3やDynamoDBなど他のAWSサービスへアクセスする場合、認証情報の設定が必要です。

主な方法

  1. 認証情報ファイル
    EC2のホームディレクトリの.awsディレクトリ内に認証情報(アクセスキー等)を保存。
  2. 環境変数
    AWS_ACCESS_KEY_IDAWS_SECRET_ACCESS_KEYを環境変数で設定。
  3. IAMロール
    EC2インスタンスにIAMロールを割り当てることで、安全かつ自動的に権限を付与。

実運用では、セキュリティの観点から「IAMロール」の利用が推奨されます。


6. 参考リンク


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